設定が面白かったので、こんなことしてみました。
タイトル
『村娘と勇者様御一行』
ワタベさんのシナリオを2段仕込みして、
なるべく早めに操作できるように構成し直してみました。
……と言いながら、流れの都合で少し設定を盛っているので
結局文章量がトントンぽいですが(汗)
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action:
タイトルから続く。
アンナが実家の雑貨屋から散歩に出てくる
アンナ(モノローグ):
その日、わたしは日課である散歩をしに出かけました。
action:
アンナが村の入口で冒険者一行を見つけて近づく。
アンナ(モノローグ):
村の入口で冒険者と思われる方を見かけたので、私は挨拶にうかがいました。
アンナ:
「レーメル村へようこそ……」
剣士風の男性:
「仕事しろ村娘A!!」
action:
アンナが後ずさる。
剣士風の男性(エイジ)が追うようにアンナに迫る。
剣士風の男性:
「村の入り口で村の名前を教えるのが唯一の仕事のモブのクセに、遅れて来るとはいい身分だな。えェ!?」
アンナ(モノローグ):
背中に剣を背負い、上等な『サークレット』という冠型の頭防具。
そしてマントを着た剣士風の男性に開口一番、どやされてしまいました。
目つきは鋭く、明らかに不機嫌そうです。
大きな戦士風の男性:
「おい、エイジ。旅の私たちを出迎えに来てくれた彼女に失礼だろ」(汗)
エイジ:
「カイエン、まあ見てろ。……おい女。ここは、どこだ?」
アンナ:
「レ、レーメル村です」
エイジ:
「女。お前の名前は?」
アンナ:
「…………」
アンナ(モノローグ):
エイジという名らしい彼の威圧感に恐怖を感じたわたしは、
声を出すことが出来ませんでした。
エイジ:
「ほらな。何も言わないだろ? 村の名前を言うしか能がねえのさ」
カイエン:
「おい、人を怖がらせておいて……」
エイジ:
「おい村娘A、一日中、ここに立っているかと思っていたが、食事やトイレには行くんだな。けどな、タイミングというものを……むぐっ、離せパトス、テレス??」
action:
魔術師風の男性(パトス)らがエイジを止めに入る
魔術師風の男性(パトス):
「すみません、お嬢さん。こいつ(エイジ)は悪態が止まらなくなる呪いにかかっていまして……」
神官風の少年(テレス):
「いわゆる『ドSになる呪い』でさ」
テレス:
「エイジ、今日はここにいる鍛冶屋さんに用事があるんでしょ?」
アンナ:
「鍛冶屋ですと、ガラドさんのところですね? ご案内は致します、けど……」
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action:
鍛冶屋の前に場面転換。
金属が倒れるような音とともに鍛冶屋のガラドと、エイジ一行、アンナが鍛冶屋から出てくる。
ガラド:
「いいか!! 裏のモルデ山から必要な鉱石を採ってこない限り、依頼は引き受けんからな!!」
エイジ:
「上等だクソジジイ!! そいつで打ち直してもらった剣で、てめえを叩き斬ってやるからな!!」
action:
家に戻るガラド。
あきれるアンナとカイエン、テレス、パトス
アンナ:
「すみません。せっかく来て頂いたのに……」
カイエン:
「人嫌いとのウワサは聞いていましたが、まさかエイジと同じ呪いにかかっていらしたとは……」
テレス:
「その割には話がすぐまとまったね?」
アンナ:
(確かに……。いつもは門前払いなのに……)
エイジ:
「村娘A、宿に案内しろ」
アンナ:
「…………」
エイジ:
「なんだよ、その『わたし怖いです』って顔は。……むぐっ」
action:
カイエンがおもむろにエイジを制する。
カイエン:
「たびたび怖がらせてすまない」
アンナ:
「……宿までご案内しますね。ここから↓の方にあります」
action:
ここで初操作可能+セーブ可能になる。
余計な所に行くとエイジが悪態をつく。
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action:
宿に着くといったん暗転したあと、以下のイベントが始まる。
アンナ(モノローグ):
翌日、私はエイジさんたちを迎えに宿へ赴きました。
モルデ山の案内をするためです。
テレス:
「よろしくね、アンナお姉ちゃん!」
パトス:
「近くにあるという遺跡にも探検に行きますので、少し長く滞在すると思います」
テレス:
「すごいお宝があるって話だもんね!」
カイエン:
「道中のモンスターの相手は私たちにお任せ下さい」
エイジ:
「おい村娘A。こっちは死ぬ気でモンスターと戦おうってのに、楽な立場だな。
村や近所の案内の方がいい日当でも出るのか?
明日から俺が代わってやってもいいぜ?」
アンナ:
「・・・アンナです」
アンナ:
「わたしの名前はアンナです! 『村娘A』なんかじゃ、ありません!
昨日は実家の雑貨屋を手伝った後の休憩時間で、散歩をしていました!
ちゃんと働いています!
たまに冒険者の方が村に来て、宿の場所なんかが分からないときがあるから、
そういう方を案内できたらって思って、よく村の入り口近くに寄っているんです!」
アンナ(モノローグ):
エイジさんの圧から逃れるように、わたしは気が付くと大きな声で叫んでいました。
action:
エイジは宿の奥に引っ込んでしばらくすると、戻ってくる
アンナ(モノローグ):
エイジさんは鎖かたびら(鎧の内側に着るもの)を
私に突き出してきました。
エイジ:
「どちらかを選べ。てめえの血にまみれるか、俺の汗の臭いにまみれるか。
それなりの装備はしてきたみたいだが……」
アンナ:
「あ、ありがとうございます!
そうですね。最近はモンスターの活動が活発ですし、ちょっと心配していて……お借りします!」
action:
アンナは宿の主人に会釈して、着替えに宿の奥に向かう
アンナ:
(これ、かなりいい品だわ……!!)
エイジ:
「そいつはくれてやる!!
他人の汗がついたモンを着るのはごめんだからな!!」
action:
エイジはやや赤面した様子。
それを見たカイエン、テレス、パトスらは顔を見合わせる。
アンナ(モノローグ):
――――これが、エイジさん率いる皆様との、長い旅の始まりでした。
action:
これより、冒険が始まる+再びセーブ可能になる。
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